「寝ている間にやせる方法」

 最近、生活習慣病やメタボリック症候群、メタボなどという言葉がとびかっています。腹囲を測り、男性85㎝、女性90㎝以上の人はメタボリック症候群の可能性があり、要注意とされています。肥満は糖尿病、高血圧、高脂血症、高尿酸血症といった生活習慣病をおこしやすいことがわかっています。そこで健康上、また美容上も痩せたいという人が急増しています。

 苦労をしないで痩せたいという願望にマッチした”寝ている間に痩せる方法”などが出現しました。特定の食品を食べていれば寝ている間に痩せるとのキャッチフレーズです。〇〇食品、〇〇プロテイン、といった類の商品です。本当にそんな素晴らしい方法があるのでしょうか?結論からいいますと殆どの人の場合、答はノーです。

 消費エネルギーが摂取エネルギーよりも多くなければ減量できません。消費エネルギーを増やして減量しようとしても困難です。たとえば体重6kgのひとが体重を1kg減らそうとすれば、消費エネルギーを増やす為に約7000キロカロリーの消費、つまり軽いジョッギングを約14時間しなければなりません。とても運動だけでは減量できません。一方、摂取エネルギーを極端にへらしてしまうと栄養バランスがくずれて肝臓をはじめいろいろな病気がおこります。実際、アメリカである種のプロテインダイエットが流行して何人もの死者がでました。運動しないで、寝ている間に減量できるなどという方法には飛びつかないで下さい。

1)一日の摂取カロリーをへらすが栄養バランスは確保する(極端にへらす必要はありません。体重をみながら1~2ヶ月に1kgの減量で良い)
2)適度な運動で筋肉や骨を強くして、脂肪を効率よく消費する(自分の足を使ってこまめに動き回る。できれば一日30分以上、週4回以上の連続歩行を。)

この二つをしなくてすむ健康的なダイエット・減量はありません。