「DHAは認知症に有効か?」

 これまでにDHA(ドコサヘキサエン酸)の摂取がアルツハイアー病(認知症)を防ぐという発表があり、DHAの成分を含むサプリメントが数多く発売されています。しかし昨年末、アメリカの医師会雑誌JAMA(2010年11月3日号)では「軽度から中等度のアルツハイマー病患者にDHAサプリメントを投与しても、認知症の進行を減速することはできなかった。つまりDHAサプリメントは認知症患者に無効だった」との発表がありました。このデーターはDHAの入っている製品とDHAの入っていない製品(偽薬)を400名に投与しています。無作為化プラセボ二重盲検試験というしっかりとしたデーターのとりかたをしています。説得力のある研究結果です。まだまだ断定的なことはいえませんが、DHA製品は認知症患者さんがこぞって利用すべきものではなさそうです。
 現在、世界中でアルツハイマー型認知症にたいするワクチン療法の研究が盛んに行われています。副作用(脳炎など)のために開発を中断したワクチン製剤もありますが、改良をかさねて広く使用される時代はそう遠くないでしょう。そうすれば認知症患者の激減が望めます。そういう時代が早く来て欲しいですね。